不動産相続トラブルを防ぐポイント
相続の際は、相続人間でトラブルが生じないよう十分な対策を行う必要があります。相続は「争族」と呼ばれるほど、親族間で紛争が起きやすく、これはたとえ仲の良い家族であっても、相続をきっかけに絶縁状態になることさえ起こりえます。
相続トラブルと聞くと、資産家の家庭など相続財産が多い家庭で起きやすいと思われがちですが、実際は遺産総額が5,000万円以下の家庭で起きやすいとされます(参考:裁判所ホームページ「令和元年度司法統計年報(家事編)」)。特に、主な相続財産が土地や自宅以外の財産がほとんどないケースでトラブルが起きやすく、不動産を相続する際は、相続トラブルが起きないように対策を行うことが重要です。
相続対策として有効な手段が、遺言書の作成です。家族の事情に配慮した内容の遺言書を作成することで、家族に不公平感を残すことなく、遺産分割を行うことができるでしょう。また遺言書の作成の前に、事前に家族全員で話し合い、家族全員が納得のいく遺産分割方法を決めることができれば、相続が発生した後もトラブルを生じさせることなく、スムーズに遺産分割を行うことができます。ただし、特に自筆証書遺言(遺言書を自筆で作成する場合)のケースでは、形式不備等により遺言書自体が無効となることもあり、トラブル防止のために作成された遺言書がかえって新たなトラブルを引き起こすこともあります。遺言書を作成する際は、公正証書遺言(公証役場で公証人と一緒に作成する遺言)で作成するか、弁護士等の法律専門家から助言を受けながら作成することをおすすめします。
上記の遺産分割対策に加え、不動産相続の際は、相続税の負担を減らすための対策(節税対策)や、相続税の納税資金を確保するための対策(納税資金対策)なども検討が必要となる場合があります。相続税は納税しなくてもよいケースがほとんどですが、課税対象となる場合は弁護士等の法律専門家から助言を受けながら対策を検討していきましょう。
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