奨学金を個人再生する場合に保証人に及ぶ影響とは
社会に出てから奨学金の返済に苦しむひとが検討する手続きとして個人再生がありますが、奨学金には保証人がついていることが多く、個人再生を行った場合に保証人にどのような影響があるかは知っておくべき問題です。
奨学金は個人再生の対象になる
貸与型の奨学金は、消費者金融や銀行からの借り入れと同様に「借金」として扱われるため、個人再生の対象となります。
個人再生とは、裁判所に申し立てて借金を大幅に減額し、原則として3年間で分割返済する手続きです。
奨学金の返済額の減額
個人再生では、借金総額に応じて返済額が減額されます。
一般的に、借金総額の5分の1から10分の1程度まで減額される(最低100万円までの減額)可能性があります。
例えば、奨学金を含む借金総額が600万円の場合、個人再生によって返済義務が120万円まで減額される可能性があります。
ただし、所有している財産の評価額によっては、返済額が増える場合もあります。
奨学金を個人再生する場合に保証人に及ぶ影響とは
個人再生を申し立ての効果は、保証人などの本人以外の者には及ばないため、個人再生によって、本人の返済義務が減額された場合、保証人は残りの奨学金全額の返済義務を負うという影響があります。
そして、日本学生支援機構などの奨学金の貸主は、本人に代わって保証人に残額の一括返済を請求することができます。
個人再生を検討する際は、事前に保証人や連帯保証人に状況を説明し、理解を得ることが非常に重要です。
機関保証の場合に及ぶ影響とは
親や親戚などが保証人となる人的保証ではなく、保証機関が保証する機関保証を利用していた場合には、人的保証のように親や親戚などに迷惑をかけることはありません。
機関保証の場合、本人が返済できなくなると保証機関が代わりに返済し、その後本人に請求します。
親などの保証人が一括請求を受けた場合の対応策
親などの保証人が奨学金の一括請求を受けた場合でも、慌てずに対応することが大切です。
日本学生支援機構の場合、原則として保証人からの分割返済の申し入れに応じることも多いです。
そのため、個人再生を検討する際は、事前に保証人や連帯保証人に状況を説明し、理解を得た後に、保証人と共に奨学金機構と交渉し、分割払いを認めてもらうよう相談することが考えられます。
また、奨学金には返還期限猶予制度や減額返還制度といった救済制度が用意されている場合があり、これらの制度を利用することで返済の負担を軽減できる可能性もあります。
まとめ
奨学金は個人再生の対象となり、本人の返済額を大幅に減額できる可能性がありますが人的保証を利用している場合、保証人が減額分の一括請求を受けるリスクがあります。
奨学金の返済や個人再生、保証人への影響について不安がある場合は、ひとりで悩まずに弁護士や司法書士などの法律の専門家に相談することをおすすめします。
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