不当解雇・退職勧奨
不当解雇や退職勧奨を受けた場合は、どのような対応をすることができるのでしょうか。
■不当解雇
不当解雇とは、解雇条件を満たしていないか、労働契約や就業規則の規定に沿わずに使用者が労働者を一方的に解雇することをいいます。
労働契約法第16条に、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして無効とする」と定められており、「客観的・合理的な理由」と「社会通念上の相当性」を欠く解雇は不当解雇となります。
解雇が不当であったとして解雇の無効を主張することも可能ですが、訴えた会社に戻ることは気が進まないことから、実際に復職する方は多くありません。
復職を放棄する場合、退職を前提として解決金を受け取ることで紛争を解決する方法が考えられます。
解決金の相場は、事案にもよりますが、給与の数ヶ月分というのが一般的となっています。
また、不当解雇によって精神的損害を受けたとして慰謝料を請求することが考えられますが、全ての不当解雇に慰謝料請求が認められるわけではありません。
慰謝料が請求できるのは、不当解雇の中でも特に違法性が強い場合に限られます。
不当解雇されたことによって賃金を得ることができなかったとして、不当解雇以後の賃金を請求することも考えられます。
■退職勧奨
退職勧奨は、会社が従業員に対し退職を促す行為のことをいいます。労働者が退職の意思を表明する方向に直接的に誘導したり、いわゆる「追い出し部屋」に異動させるなどして間接的に誘導したりすることで、退職を促します。
退職勧奨を繰り返し行う行為は、退職強要になり不法行為であるとして、損害賠償を請求できる可能性があります。
会社が解雇通知を渡して一方的に従業員を解雇する会社都合退職と、従業員が自らの意思で会社に辞表を提出する自己都合退職では、会社都合退職が上記のように条件が厳しいのに対して、自己都合退職では制限が弱いため、会社は退職勧奨を行います。
しかし、会社都合退職と自己都合退職では失業手当を受け取る際に大きな違いがあり、自己都合退社では、労働者に非常に不利となります。
不当解雇や退職勧奨について、転職活動をしながら会社と交渉をするのは精神的にも肉体的にもストレスが大きいため、専門家である弁護士に交渉や裁判手続きの代理などを依頼されることをおすすめいたします。
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